2025年注目映画のひとつで、第97回アカデミー賞脚色賞を受賞した話題作
レイフ・ファインズ主演
『教皇選挙』(The Conclave)
さっそく劇場で観てきました!
前評判も恐ろしく高かったのですが、期待を裏切らない面白さ!
密室の中で次々と隠された真実が明らかになっていく、最後の最後まで先を読めない展開で、
レイフ・ファインズをはじめ名優たちの演技も素晴らしく、セット美術や衣装なども見応えがあって、
サスペンスの新しい傑作の誕生です!
これはぜひ一人でも多くの方に観ていただきたいので、徹底レビューしていきたいと思います!
興味のある方はぜひ読んでいってくださいね!
『教皇選挙』はバチカンの陰謀渦巻く密室劇!最後まで目が話せない傑作サスペンス!
ということで、さっそくご紹介したいと思います!
レイフ・ファインズ主演
『教皇選挙』(The Conclave)
2025年のアカデミー賞では8部門にノミネート!
- 作品賞
- 主演男優賞(レイフ・ファインズ)
- 助演女優賞(イザベラ・ロッセリーニ)
- 脚色賞
- 編集賞
- 美術賞
- 衣装デザイン賞
- 作曲賞
この8部門の中から、アカデミー賞脚色賞を受賞した話題作です!
公開前から前評判がとても高くて、期待値が最大くらいで観にいったのですが、
期待を裏切らない面白さでした!
舞台はヴァチカンの中の教皇選挙の行われるシスティーナ大聖堂と、
枢機卿たちが宿泊するサン・マルタ館に限定された密室劇で、
選挙期間は人の出入りが禁じられているため、登場人物も限定されている状況。
その中で選挙期間中には次々と事件が起こり、
果たして選挙の行方はどうなる?!
新しい教皇は誰になるんだ?!
と、最後の最後まで分からない見事な展開!
最初は「投票して終わりなんでしょ?」くらいに思っていたのが、
選挙をめぐる政治的取引や陰謀の数々に、息をするのも忘れるほどにのめり込んで観てしまい、
上映時間の120分は本当に短く感じました!
とにかく、最後まで隠し球満載で引っ張り続ける脚本が見事なんです!
これは脚本のピーター・ストローハンがアカデミー賞脚色賞を受賞したのも納得!
それだけじゃなく、レイフ・ファインズをはじめとした名優たちの演技も圧巻で、
その上システィーナ礼拝堂を再現したセット、豪華な衣装の数々など、見どころ満載!
これは新しいサスペンス映画の傑作誕生です!
『教皇選挙』のあらすじ
ローマ教皇が亡くなった!
カトリック教会のトップである教皇の座が空位になると、
世界中から枢機卿たちが招集され、「教皇選挙(コンクラーベ)」が行われる・・・!
今回この選挙を取り仕切るのは、
- ローマ教皇庁のトマス・ローレンス首席枢機卿(レイフ・ファインズ)
ヴァチカンに招集された枢機卿たちは100名を超え、
その中で有力候補と見なされているのが、
- アルド・ベリーニ枢機卿(スタンリー・トゥッチ)・・・リベラル革新派
- トランブレ枢機卿(ジョン・リスゴー)・・・前教皇に近かった穏健保守派
- テデスコ枢機卿(セルジオ・カステリット)・・・超保守派
- アデイエミ枢機卿(ルシアン・ムサマティ)・・・初のアフリカ系教皇を目指す
この候補たちの中から、投票による選挙を行い、3分の2以上の得票を得た候補が新教皇に!
選挙期間は外界から隔離され、システィーナ礼拝堂と宿泊施設のサン・マルタ館に拘束される枢機卿たちが、
水面下で激しく次期教皇の票争いを展開する・・・!
そんな中、隔離が始まる直前に現れたのが、
昨年に前教皇によって任命されたばかりのアフガニスタン・カブール教区の
- ベニテス枢機卿(カルロス・ディエス)
任命されたことさえ誰も知らない謎めいた枢機卿の到着とともに、
いよいよ次期教皇を決める選挙の投票がスタートする!!
『教皇選挙』のスタッフ
それではここからは、この話題の映画
『教皇選挙』(The Conclave)
その世界を作り上げたスタッフをご紹介していきたいと思います!
この映画はスタッフもみんな超一流ぞろいで、作品全体のクオリティーの高さは圧巻です!
監督を務めたのは、ドイツ出身の
- エドワード・ベルガー監督
Netflixの映画『西部戦線異状なし』では、アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞するなど高い評価を受けた、今国際的に注目されている才能です!
今作でもその手腕を余すところなく発揮!
密室劇の息詰まる心理戦を見事に描き出しています!
今年のアカデミー賞でも作品賞・監督賞の有力候補だったのですが、残念ながら受賞できず・・・
しかし英国アカデミー賞では監督賞を受賞していますので、これで国際的な名声を確固たるものにしたと思います!
次の作品でもどんな話題作を見せてくれるのか、今から楽しみですね!
そして脚本を手がけたのは、イギリス出身の脚本家
- ピーター・ストローハン
これまでの代表作には『裏切りのサーカス』があり、この作品で英国アカデミー賞脚色賞を受賞するなど、高い評価を受けています。
そして本作では、その実力を存分に発揮していて、
登場人物が限られている中で、次々と事件が起こってくるスピーディーな展開を見せ、投票の行方をめぐる上質の心理戦を描き切っています!
これは本当に脚本がお見事!納得のアカデミー賞脚色賞を受賞!でした。
いや本当に最後の最後まで気を抜けない見事な展開で、素晴らしかったです!
そしてこの息詰まるサスペンスを盛り上げる音楽を担当しているのは、こちらもドイツ出身の
- フォルカー・ベルテルマン
ベルガー監督とは前作『西部戦線異状なし』に続いてのタッグです!
今作では作曲賞でアカデミー賞にノミネートされています!
そしてこの作品では映像の美しさも必見で、撮影を担当したのはフランスの撮影監督
- ステファーヌ・フォンテーヌ
狭い密室の中でのドラマが続きますが、工夫した撮り方で全く飽きさせず、
思わず見惚れてしまうような詩的な美しい映像も見応えがありました!
美術を担当したのはイギリス出身の
- スージー・デイビス
今作ではなんと!セットでシスティーナ礼拝堂を完全再現!
観終わった後で、あれがセットだったの?!と驚かずにはいられないリアルな礼拝堂は今作の見逃せないポイントです!!
『教皇選挙』のキャスト
それではこの映画を盛り上げるキャスト陣もご紹介していきます!
この映画は登場人物も限られている密室劇だけに、キャストの演技力に比重が高い部分が大きいです。
その重積に見事に応えたのが、ベテランの名優たち!
まさにキャスティングの大勝利と言えるキャスト陣です!
本作の主人公で、世界中の枢機卿たちが参加する「教皇選挙」を取り仕切る、
ローマ教皇庁のトマス・ローレンス首席枢機卿を演じるのが、
- レイフ・ファインズ
もう改めて紹介するまでもない、映画界を代表する名優ですね。
1962年イギリス生まれで、数々の映画作品に出演してその演技力は高い評価を受けています!
代表作は、『シンドラーのリスト』
『イングリッシュ・ペイシェント』などなどの名作ぞろいです!
この作品は密室の会話劇なので、レイス・ファインズがその演技力を存分に発揮しています!
次々と起こる事件に、思い悩み、怒り、とまどい、決断を下して「教皇選挙」を進行させる。
表情のクローズアップが多いので、その様々な思いを抱えた様子が観る側にリアルに伝わってきて目が離せません!
この演技でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされましたが、残念ながら今回は受賞叶わず。
でも、この人が取っても全然良かったのにな、と思わせる名演技でした!
今回びっくりしたのが、この人まだアカデミー賞は取ってないんですね!?英国アカデミー賞は取ってるけど。
これほどの名優でなぜ?!
まあいずれ取るんだと思うのですが、賞レースってそういう意味ではあんまり当てにならないですね。
そしてこのローレンス枢機卿の盟友で、教皇選挙での当選を目指すリベラル派の
アルド・ベリーニ枢機卿を演じたのは、
- スタンリー・トゥッチ
こちらも数々の映画で活躍を続ける言わずもがなの名優ですね!
代表作は『ラブリーボーン』
『プラダを着た悪魔』
などなど、こちらも枚挙にいとまがありません!
今作のベリーニ枢機卿は、知性的で控えめながら、静かな野心を燃やしているたたずまいを存在感たっぷりに演じてくれています。
そしてこの映画のキーパーソンであるシスター・アグネス役を演じたのは、
- イザベラ・ロッセリーニ
こちらも言うまでもない映画界の大物俳優!
世界的映画監督ロベルト・ロッセリーニと、世界的大女優イングリッド・バーグマンを両親に持つという、
映画界の歴史を両肩に背負っているサラブレッドです。
代表作は、『ブルーベルベット』などで、今も数は多くは無いですが俳優活動を続ける映画界の生き証人ですね。
この作品では、投票権はないものの、「教皇選挙」を支える修道女の役で、
なんと出演時間はたったの7分だったそうなのですが、全くそんなことに気が付かないくらい、強烈な存在感を示してくれました!
口数は多くはないものの、視線で全てを語る演技力は高く評価され、アカデミー賞助演女優賞にもノミネートされました!
『教皇選挙』の見どころ
それではここからは、この映画
『教皇選挙』(The Conclave)
を観て、個人的に見どころだと思ったところをご紹介していきますね!
できるだけネタバレは避けて書くつもりですが、まだ映画を観ていなくて、できるだけ情報を入れたくない方は、
以下は映画を観てから読んでいただけると嬉しいです!
名優たちが描く密室群像劇!
まずこの映画の見どころは、なんといっても、
名優たちの息詰まる密室群像劇
場所と登場人物が限られているだけに、あとは俳優の演技力にかかっていると言っても過言ではないこの映画、
最後の最後まで目が離せない選挙の行方を緊迫感をもって描き出してくれた、
名優たちの演技合戦はここ数年みたことないレベルで見応えがありました!
ローマ教皇庁のトマス・ローレンス首席枢機卿を演じた
レイフ・ファインズはもう言うまでもなく、
彼を取り巻く登場人物たちとのやりとりも、全てお見事!
スタンリー・トゥッチ、イザベラ・ロッセリーニといった俳優陣との対決のシーンでは、
お互いつかみ合って殴り合いでも始めるんじゃ無いか?!って思わず息を飲むくらいの迫力がありましたよ!
全ての登場人物が、聖職者だけにとても静かなたたずまいながら、
内面では怒りや焦り、野心を燃やしながら駆け引きを繰り広げていて、
本当に全ての俳優陣が素晴らしかったです!
この俳優たちの熱演の数々は高い評価を受けて、
全米映画俳優組合賞(SAG)では最高賞となるキャスト賞を受賞しています!
これは本当に、納得の受賞!
キャスト全員に賞をいくつでも差し上げたいくらいです!
この映画を観る1番の見どころは、やっぱりこのキャスト陣ですね!
知られざる「教皇選挙」(コンクラーベ)の世界!
そしてこの映画の見どころとしては、
普段生きてたらほとんどの人が全く関わりのない
「教皇選挙」(コンクラーベ)の内側を見ることができる!
これにつきますね!!
私もこの映画を観るまで全然知らなかったんです!
「教皇選挙」というものでは、全世界から枢機卿たちが集まって、投票して次の教皇を決めるとは!
100名以上も枢機卿たちが集まるなんて、大イベントですね!
それだけの数の枢機卿たちが、選挙期間中はシスティーナ大聖堂と宿泊施設のサン・マルタ館に完全隔離!
外界の影響を受けないようにして選挙を行うという徹底ぶり!
中にいるのは枢機卿たちと、お世話をするシスターたちだけ。
そんな密室が出来上がること自体、事件の匂いがしますよね!
しかも、誰かが3分の2の票を獲得するまで何度も投票が繰り返される!
つまり、教皇になりたい野心に燃える枢機卿たちの、水面下での激しい争いが、延々と続く・・・!
そんな教皇選挙の、息詰まる攻防戦は一見の価値ありです!
セットも衣装も圧巻!
そしてこの映画の見どころはそれだけじゃない!
セットも衣装も本物じゃないの?
と目を見開いて2度見したくなるレベルで、映画の世界に無理なく引き込んでいってくれました!
このセットと衣装を見るだけでも、映画を観に行く価値があると思います!
この映画の舞台はあのヴァチカンの中心地
システィーナ礼拝堂
しかし映画の撮影許可は降りなかったので、全部セットで作ってしまったというから驚きです!
スクリーンで見ていた時にはセットだとは気が付かないくらいのリアルさで、
コンクラーベの会場にふさわしい重々しい迫力がありました!
この驚きのセット美術を担当したのは
スージー・デイビス
これまでもアカデミー賞美術賞にノミネートもされたことがある実力派で、今作で2度目のノミネートを果たしました!
そして100名を超える枢機卿たちが身につけていた衣装も圧巻でした!
衣装を担当したのは衣装デザイナーの
リジー・クリストル
この衣装を作るために、実際の枢機卿たちの衣装を作るテイラーや美術館を訪れて調査を重ねて準備したとのことで、
画面越しにもその衣装のずっしりとした重々しさが伝わってきて、映画に説得力を持たせていました!
このこだわり抜いた衣装でアカデミー賞デザイン賞にもノミネートされています!
最後まで分からない緊迫の展開!
そしてこの映画の最大の魅力は
最後までどうなるか分からない仕掛けがたっぷりの脚本!!
この映画には原作があって、イギリスのジャーナリスト/作家の
ロバート・ハリスの『教皇選挙』(conclave)
この本は残念ながら、まだ日本語訳が出ていないんですよね。
でもこの映画のヒットで邦訳もすぐに出てくれるかもしれません?
この本を元に、脚本を執筆したのが
ピーター・ストローハン
原作を元に脚本を書いたので、「脚色」ということになって、
今年度のアカデミー賞脚色賞を見事受賞しています!
この脚本がいったいどれくらい原作に忠実なのかは分からないのですが、
とにかく脚本が面白い!
映画を観ている私たちは「誰が教皇になるのか?」をずっと推理させられていく、という一種のミステリーなんですが、
登場人物が限られている中の密室劇で、登場人物たちも私たちと一緒に次期教皇は誰なのかを探りあっていくという、
ある意味アガサ・クリスティーの推理物を観ているみたいな感覚も味わえます!
そして、映画が進むにつれて新しい事実が次々と明かされてきて、
物語が二転三転していって、次々と予想外の展開が繰り広げられていきます!
最後まで全然、まったく、誰が教皇になるのか分からない!
最後まで観て、話の先読みが全然できませんでした!
これはお見事!
推理サスペンスものとしても、見事なできばえ!
ぜひ一人でも多くの方に、一緒に「教皇は誰になるのかな?」と推理してみていただきたいです!
『教皇選挙』は傑作サスペンス!ぜひ観てね!
ということで、今回は、
2025年注目映画のひとつで、第97回アカデミー賞脚色賞を受賞した話題作
レイフ・ファインズ主演
『教皇選挙』(The Conclave)
さっそく劇場で観てきた感想を、徹底レビューしてみました!
前評判も高くて、期待値が上がりきった状態で行ったのですが、期待を裏切らない面白さでした!
いや、むしろ超えてました!
密室の中での最後の最後まで先を読めない展開で、
レイフ・ファインズをはじめ名優たちの演技も素晴らしく、セット美術や衣装なども圧巻で
これは本当に減点要素無いですね。
100点中100点!
完璧なサスペンスでした!
文句なしに面白い!
これはぜひ一人でも多くの方に観ていただきたいと思います!
2025年のアカデミー賞の結果について詳しくは、こちらの記事もあわせてどうぞ!