新たな名作の誕生ですね!
低予算の小さな作品ながらも話題が話題を呼んで、アカデミー賞など賞レースを席巻した映画
『コーダ あいのうた』
2014年にヒットしたフランス映画をリメイクしたもので、
本作ではアメリカの海辺の漁師町に舞台を移して、
家族の中で唯一耳の聞こえる子(コーダ)が自分の音楽の才能と進路について揺れ動く様子を
美しい自然の風景と淡い恋を織り交ぜてさわやかに描いた名作です!
これは全人類、必見ですね!
『コーダ あいのうた』家族で唯一耳の聴こえるルビーの進む道とは?!
ということで、ついに見ました、
2022年のアカデミー賞では作品賞、脚色賞、助演男優賞の3部門を受賞するなど大きな話題となった
『コーダ あいのうた』
この映画は2014年にヒットしたフランス映画をリメイクしたものです。
タイトルの「コーダ」とは、ろう者・難聴者家族の子供のこと。
主人公のルビーは家族の中で唯一耳の聞こえる子として、家族を手伝いながら高校に通っていますが、
高校を卒業した後は自分の好きな音楽の道に進むのか、それとも家族の仕事の手伝いを続けるのか、
人生の帰路に立たされます。
そんなルビーの希望と悩みを、密かに憧れる同級生のマイルズへの淡い恋と織り交ぜて描いて、
評判が評判を呼び、大ヒット!
数々の賞を受賞し、ついにはアカデミー賞3部門も制覇して、その年を代表する映画となりました!
ストーリーだけじゃなくて、映し出されるアメリカの漁師町の風景も美しくて、
多くの人たちに一度は見て欲しい、必見の映画になっています!
『コーダ あいのうた』はフランスの『エール!』のリメイク
さて、そんな2022年の話題となった映画
『コーダ あいのうた』
この映画はリメイク作品で、
オリジナルは2014年にヒットしたフランス映画
『エール!』
実はこちらの映画の方を先に見ていて、とても素晴らしくて感動していたので、
そのリメイクの『コーダ あいのうた』の方は、最初はそんなに見に行かなくてもいいかな、と思っているうちに劇場で見逃していました。
だって、リメイク作品って、だいたいオリジナルを越えられないというか、結局オリジナルの方がよかった、ってこと、多くありません?
そんなわけで、最近になってようやく配信で見たいのですが、
これがやっぱり話題になるだけあって、映像も美しいし、音楽もいいし、
なによりもオリジナルへ最大限の敬意を払って作っていて、とてもいい作品でした!
オリジナルの農場から、漁師町に舞台をうつしていたり、家族構成をちょっと変えたりしていましたが、
オリジナルのここぞ!というシーンはほぼそのまま再現もしていて、オリジナルの感動がよみがえってきました。
そんなわけで、この映画は、オリジナルもリメイクもどっちもいい、という稀な成功例ですね!
『コーダ あいのうた』のあらすじ
それでは、この映画、
『コーダ あいのうた』
そのあらすじを、簡単にご紹介していきますね!
高校生のルビーは、家族で両親と兄も耳が聞こえないなかで、唯一耳が聞こえる子(コーダ)。
海沿いの町グロスターで、漁業に従事する父と兄の手伝いをしながら、手話通訳をするなど助けています。
そんな中で迎えた新学期、ルビーは密かに憧れている同級生マイルズが合唱クラブに入ることを知って、自分も同じクラブに加入。
そこで顧問のベルナルド先生に歌の才能を認められ、音大への進学を進められることになります。
そうしてマイルズと一緒に入試のための特訓をうけることになったルビーですが、
ルビーに家業の手伝いをして欲しい両親は大反対。
でも歌うことの楽しさを知ってしまったルビーの心は揺れて・・・
というストーリー。
メインのストーリーラインはほとんどオリジナルに従って、高校生ルビーの旅立ちを描き出していきます。
『コーダ あいのうた』のスタッフ&キャスト
さてそんな映画
『コーダ あいのうた』
このリメイク版を撮ったのは
アメリカのシアン・ヘダー監督。
このところ頭角を表してきている新進女性監督です。
このリメイク版では、ヘダー監督の思い入れの深い海辺の街・グロスターが舞台となっています。
その美しい海辺の風景は、この映画の見どころの一つ。
その風景を詩的に美しく描き出したのは、これもまた女性の新進撮影監督であるパウラ・ウイドブロさん。
いまだに男社会の色濃いハリウッドで、女性スタッフが気を吐いた作品になっていて、応援したいところです。
そしてこのリメイク版のキャストもご紹介しますね。
主人公ルビーを演じたのは、イギリス出身の新鋭
エミリア・ジョーンズ
ボイストレーニングと手話の特訓を受けて撮影にのぞんだそうです。
そして、この映画のポイントは、
聾者の役をちゃんと聾者の俳優さんたちが演じたところ!
お母さんのジャッキーを演じたのは、聾者俳優の草分け的存在である
マーリー・マトリン
名作映画『愛は静けさの中に』で、アカデミー主演女優賞を獲得したこともある名優です。
そして、お父さんのフランク役には、こちらも聾者俳優として活躍を続ける
トロイ・コッツァー
この作品で、アカデミー助演男優賞も受賞することになりました。
お兄さんのレオの役には、舞台などで活躍する
ダニエル・デュラント
オーディションで見事大役を射止めました。
そしてそのほかには、
ルビーが密かに思いを寄せるマイルズ役には、
映画『シングストリート』で主演してその音楽の才能も注目されている
フェルディア・ウォルシュ=ピーロ
ルビーとマイルズのデュエットは見どころの一つです!
そして、ルビーの親友のガーティー役には、
エイミー・フォーサイス
ルビーの才能を見出すV先生役には、
エウヘニオ・デルベス
というキャスト陣で作られています!
映画を見ていただければすぐに分かることですが、この全キャストの演技がとても自然で、
自然光で撮っているシーンが多いせいか、どこかドキュメンタリー映画を見ているような気分にもさせられるんですよね。
もちろん、手話のシーンも本物ですし、
そんなリアリティーを感じられる映像を作り上げたスタッフとキャストの奮闘に拍手を送りたいです!
『コーダ あいのうた』の見どころ
さて、そんな映画
『コーダ あいのうた』
たくさんの見どころがあってとても全部はご紹介しきれませんが、
以下、私が見て、これはいいなあ〜、見どころだな〜と個人的に思ったところをご紹介していきますね!
ただ、色々と書いていくとどうしても映画の内容に触れることになってしまいますので、
まだ映画を見ていなくてできるだけ新鮮な状態で見たい方は、
以下は飛ばして映画を見てから読んでいただけるとうれしいです!
美しい音楽の数々に酔いしれる・・・
まずこの映画のステキなところは、
主人公のルビーが合唱団に入るので、そこで歌う数々の名曲に聞き惚れてしまいます。
ルビーがギターを抱えたマイルズとさらっと歌うシーンも、きれいな音楽で胸がいっぱいになるような満足感がありますよ!
この映画の影の主役は音楽!
ぜひその美しい音楽の数々を楽しんでくださいね!
コーダ あいのうた - オリジナル・サウンドトラック
美しい海辺の街の風景の数々!
そしてこの映画では、オリジナルと違って舞台となっている
海辺の街の風景は必見です!
この映画の撮影が行われたのは、
マサチューセッツ州グロスター
このグロスターは漁業の街であり、夏には観光地としてにぎわうのだそうです。
ヘダー監督はここを幼少期に訪れた思い出があり、舞台にここを選んだそうです。
確かに船が出ていくシーンや、森の中、入江のシーンははっとするほどの美しさで、思わず見とれてしまいます。
そんな美しい風景の中で、キレイな音楽や、ルビーの家族愛や淡い恋の物語が繰り広げられていくのですから、
やっぱりこれはどうあっても名作になってしまいますよね〜。
知られざる唯一耳の聞こえる子(コーダ)の苦悩・・・
そしてこの映画を見て、多くの方が初めて触れるのではないかと思われるのが、
聴覚障害の両親を持つ聞こえる子=コーダ
の知られざる苦悩。
家族の中で一人だけ耳が聞こえるルビーは、
子供の時から当然のように、聞こえない家族ための手伝いをして過ごしています。
そういう子たちが日本を含め、世界中に多くいるという事実に目を向けさせてくれる映画でもあるんですよね。
本当だったら、ほとんどの子達が親に甘えて過ごしている時期にも、
ルビーのような「コーダ」の子たちは、親の心配をしたり、仕事を手伝ったり通訳したり・・・
映画のルビーは先生が気にかけてくれて、家族も理解があったから自分の望む進路に進めましたが、
実際には夢をあきらめてしまったコーダの子たちも多くいるのかな?
子供達が安心して自分の道を進めるように、社会的な支援はもっと必要なんじゃないのかな・・・と考えさせられます。
『コーダ あいのうた』とオリジナル版『エール!』の比較
そしてこの映画
『コーダ あいのうた』
私は先にオリジナルのフランス版
『エール!』
を見ていたので、映画を見ながら両者の設定で違うところと同じところがいろいろ気になったので、
ここからはその違うところと同じところをまとめてみますね。
『コーダ あいのうた』とオリジナル版『エール!』の違うところ
まずこの『コーダ あいのうた』がオリジナルと違うところは、
1)舞台が海辺の町になり、家業は漁業になっているところ
オリジナルでは、両親は農場を営んでいます。
当然ながら、農場と漁業ではまったく違うので、映画でも海辺のシーンが多くて雰囲気も全く違って感じられますね。
2)家族の中で弟が兄に変わっている
そして家族構成もちょっと変わっています。
オリジナルでは、主人公のポーラの両親と弟という四人家族の構成だったのが、
このリメイクでは、主人公ルビーと両親、そして年上の兄、という家族構成に変更されています。
このお兄さんがルビーが自分の道を行くのに賛成なのですが、
オリジナルと違って家族の中にもう一人頼れる人が加わることによって、ルビーが自分の選択をしやすくなっているところがありますね。
と、こんなふうに大きな変更点が二つあるのですが、
映画のほとんどのストーリーはオリジナルに沿って作られていて、ほとんど忠実といえる仕上がりになっていますよ。
『コーダ あいのうた』とオリジナル版『エール!』の同じところ
ということで、映画のなかで同じところですが、
ほとんどオリジナルとストーリー展開は同じなので、
オリジナル映画のファンをがっかりさせない仕上がりになっていて嬉しかったです。
個人的に、ここは名シーンだから変えないで欲しいなあ、と思っていたところは全部そのままにしててくれていますので。
以下、絶対変えないで欲しいと思っていて、ちゃんとそのままになっていた嬉しかったポイントをご紹介していきますね。
1)ルビーの合唱の発表会で、音声がオフになって耳の聞こえない家族の視点を再現していたところ
これは映画の中でも重要なシーンだったので、そのままでホッとしました。
愛する娘の歌声を聞けない・・・という家族の気持ちが、ここで観客に初めて実感できる、切ないシーンです。
2)お父さんが娘の歌を聞きたくて、喉〜胸に手を当てるところ
そして、これも思わず涙ぐんでしまうような名シーン。
お父さんが娘の歌を聞きたいけど、耳では聞こえないので、大声で歌ってもらって、喉〜胸の振動で分かろうとするんですよね。
真剣に娘の世界を理解しようとするお父さんの表情に、オリジナル・リメイクともに、涙がこみあげてきました。
3)最後の試験での歌の手話通訳
そして、さいごにルビーが音大の試験を受けるシーンで、観客席で見ていた家族のために、
歌詞を手話通訳してあげるシーンは、オリジナル版で涙涙の名シーンだったので、
それはリメイクでもそのままでよかった〜!と思えたシーンでした。
やっぱり、このシーンがないと、この映画全く違ったものになってしまいますよね。
リメイク版でも、涙腺崩壊必至の名シーンとなっていましたよ。
ということで、オリジナルとリメイクの間で、違うところはあっても、
肝心の名シーンはすべて再現されていたので大満足でした。
そしてこのリメイク版を見たら、オリジナル版も見たくなって見返してしまいましたよ。
リメイク版だけ見て、オリジナル版をまだ見ていないという方には、ぜひ両方見て2倍楽しんでいただければと思います。
個人的には、私はやっぱり最初に見たインパクトが強かったので、
フランスのオリジナル版の方が好きかな〜
何と言っても、主人公のポーラを演じたルアンヌ・エメラちゃんの歌声はパワフルで最高なので、
ぜひこのオリジナル版も一緒に見てくださいね!
『エール!』
『コーダ あいのうた』全人類必見の名作ですよ!
ということで、
アカデミー賞など賞レースを席巻した話題の映画
『コーダ あいのうた』
この作品は2014年にヒットしたフランス映画をリメイクしたものですが、
リメイク版もオリジナルに負けず劣らず名作でした!
なかなか、リメイクもオリジナルも良い、ってないことだと思うので、
2倍楽しめて幸せな時間を過ごすことができました!
この映画ではアメリカの海辺の漁師町に舞台を移して、
家族の中で唯一耳の聞こえる子(コーダ)である主人公が自分の道を切り開いていく様子を描いてくれていて、
見ると自分もがんばろうと勇気をもらえるような映画になっています!
これは全人類、必見の映画ですので、気になった方はぜひ一度見てみてくださいね!
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